無料学習支援 |
目次
3.中学生の学習支援-としま地域みらい塾
4.高校生向けの学習支援
5.障がいのあるお子さんの居場所
6.教育資金援助
3.中学生の学習支援
中学生の勉強になると、受験や学校の勉強から離れてしまった人では難しくなるため、ボランティアも大学生や社会人が中心となります。そのため、勉強会の数もぐっと減ります。半面、中学生は行動半径が広がりますので、多少遠くでも通うことができます。
高校受験の指導
豊島区では先にご紹介した「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」のWAKUWAKU学習会、「子どもサポーターズとしま」によるクローバー学習会が中学生、高校受験の勉強を教えています。いずれも、先生や塾教師の経験のある社会人、退職したシニアのボランティアや大学生・大学院生ボランティアが中心ですので、比較的質の高い指導が期待できます。
特にクローバー学習会は受験生に対する支援が手厚いと言えるでしょう。長年の積み重ねもあるので、過去問、問題集、参考書なども充実しています。ボランティアの教育面における質も高く、進学指導などもきめ細かいといえます。面接が大事になる推薦などには、弁護士の先生方が面接の練習をしてくれますので、緊張感のある、本番さながらの練習になるようです。
クローバープラス
クローバー学習会では、毎年10月半ば頃から、クローバープラスという教室を始めます。クローバーは水曜日に上池袋第一まち作りセンターで、木曜日は区民ひろば東池袋で学習会を開いています。プラスは、中学3年生のみを対象に、金曜日にも上池袋第一まち作りセンターで学習会を開くというものです。月曜日には姉妹団体である池袋WAKUWAKU学習会がありますので、実は月、水、木、金曜日の週4日、無料で学習指導を受けることができるのです。(2020年からこのように変更になりました)。これを利用して希望の高校に進学した子どもたちも少なくありません。高い塾代を支払うことができなくても、こうした学習支援をきちんと受ければ、高校受験に挑戦しやすくなります。
模擬試験結果を参考に
クローバープラスでは受験生の志望や弱点などを共有して、きめ細かく対応をしています。特に、V模擬と言われる模試を受けてもらい、対策を練りますが、模試代を可能な範囲で補助しています。
また、WAKUWAKU学習会、クローバー学習会に参加している子どもの中で、経済的に難しい状況に置かれている家庭については、高校進学のお祝い金が贈られ、制服代などの補助に充てることもあります。これはとしま子どもWAKUWAKUネットワークが実施している支援事業です。支援を受けるに当たっては、子どもの置かれた家庭環境、家庭の経済状況など、厳格な審査を受ける必要があります。
クローバーとWAKUWAKUの比較
クローバーとWAKUWAKUの学習会を印象論的に比較してみると、クローバーはより勉強に重点があり、WAKUWAKUはより家庭的な感じがします。
WAKUWAKUは地域に根ざし、子ども食堂、プレイパークなどで子どもとの接点が多く、その分、子どもと密接な関係を築き、サポートがより深くなります。親に関しても個人的にもよく知っている関係にあるようです。また、WAKUWAKUは学生ボランティアが多く、一緒に遊んでくれるお兄さんやお姉さんが勉強を教えてくれる、という雰囲気でしょうか。そうした親しい信頼関係を土台にして、最初は勉強を全くしなかった子どもたちにも、勉強するように促す力が強いような気がします。
反対に、クローバーでは子どもたちの分布がより広く、近隣の北区や練馬区から通ってくる子どももいます。勉強をするために来るという本人や親の意識がより強いと言えます。ボランティアをとっても、クローバーは社会人ボランティアも多く、また、学校の先生や学習塾の経験者もいるので、教えるレベルは高く、高校進学に関しても、詳しい多様な情報を与えることができます。
個人的な印象としては、クローバーはお父さん的、WAKUWAKUはお母さん的なアプローチと感じます。
<ボランティア>
WAKUWAKU及び、クローバーはいずれも、大学生がボランティアの中核になっています。教職や社会福祉、保育などの方向に進みたいというまじめな学生さんが多いです。体力的にも子どもたちと一緒に遊び回ることができるところが強みです。
夏の飯能河原でのバーベキュー、クリスマス会、新年の合格祈願イベント、卒業おめでとうパーティーなど、いずれも大学生が率先して企画、実行しています。
最近ではサービス・ラーニングといって、ボランティアをすると大学の単位として、認めてくれるところも増えています。こういう学生さんも、学期が終わった後も来てくれれば理想的なのですが、単位が取れると来なくなってしまう人もいます。学習支援は子どもとできるだけ長くつきあってくいくことが望ましいので、証明のハンコをもらうと来なくなる「ハンコボランティア」には正直、複雑な思いでいる人が多いです。
また、WAKUWAKUの場合は学生ボランティアが、学習支援にとどまらない多彩な活動を主体的に進めているのが特徴となっています。NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークのサポーターズ・パーティーなどの運営にとどまらず、音楽会を催したり、LGBTや外国籍の子どもたちの問題を考えたり、WAKUWAKUという場に作られたサークル活動的な雰囲気があるのが特徴です。
としま地域みらい塾
小学校ではチューター制度などを利用した、学校内での学習支援が行われていますが、中学校にはありません。ただ、豊島区ではとしま地域未来塾という名前で、豊島区教育センターでの学習支援が行われています。2021年度からは場所が区内3カ所に増えましたので、利用しやすくなったと言えます。
利用には学校の先生からの申請が必要です。豊島区教育センターでは毎週土曜日の13:15~15:00と15:00~15:45の2クラス、西巣鴨区民集会室では毎月第1・3土曜日の同時刻、長崎第三区民集会室では毎月第2・4土曜日の同時刻に開催されます。2021年度は4期にわたって開催されますので、これから参加する事もできます。
センターでの実施状況を見ますと、2021年度第1期では約30人の生徒が登録しています。広い部屋に密にならないようにバラバラに着席し、それぞれ学校での宿題や自分の参考書などを持ち込んで、静かに勉強しています。どちらかと言えば、学習室で自習している雰囲気ですが、学習のサポートも受けられますし、保護者としては安心感があると思います。
ただ、ボランティアの数も少なく、熱心に指導してくれるという感じでありません。引っ込み思案で自分から質問するのが苦手な生徒には、サポート不足になることがあるような気がします。また、あまり勉強をやる気がない子でも、居場所として利用できるという期待はできないと思います。
それでも休日に開催している無料学習支援は少ないので、学習サポートの面では、大いに助かると言えます。中学生の指導にはそれなりの学力が必要なので、学習支援の機会は限られてしまいます。塾に頼らずに受験勉強をしたい生徒には朗報といえるでしょう。
4.高校生向けの学習支援
大学受験を前提とした高校生になると、無料学習支援の場は限られてきます。
1.ガチゼミ
この地区から行けるところとしては、雑司ヶ谷の「がんばれ!子供村」で開かれている「ガチゼミ」があったのですが、残念ながら、受験生、高校1、2年生とも拠点が四谷に変更されました。運営しているのはNPO法人キッズドアです。毎週日曜日の10:00~13:00に高校1、2年生、13:30~17:00に大学受験生の勉強を見てくれます。ここには国公立大学受験の数学、英語などにも対応できるレベルの高い大学生がボランティアとして教えていますので、勉強の環境としては良いと思います。
ただ、ガチゼミは対象を、経済的に余裕がなく、予備校などに通えない高校生に限っており、近年では定員を超える応募がありますので、書類審査やインタビューなどを通じて、家庭状況などをかなり厳格に確認しています。
開催日時:毎週日曜日 高校1、2年生 10:00~13:00
大学受験生 13:30~17:00
開催場所:キッズドア ラーニング・ラボTOKYO
新宿区四谷2-8 藤井ビル5階
問い合わせ先:03-6457-7105 (営業時間:15:00~20:30
定休日:毎週月・金曜日)
ホームページ:http://www.kidsdoor.net/index.html
2.かみとえんぴつ
小規模ですが豊島区千早2丁目の「かみとえんぴつ」は高校生、大学受験生を対象にしています。科目は数学、物理、科学など、いわゆる理科系の科目を中心に教えてくれます。個人のお宅でやっているので静かな環境ですし、基本は1対1で教えているので、落ち着いて勉強を見てもらえます。ただ、開催できるのが、今のところ木曜日の午後だけになっており、1~3人ぐらいの方に限定されることになります。このため、豊島区などからの依頼を中心に対応しておられるのが現状です。詳しいことは直接問い合わせしてみてください。
3.前澤個人
また、個人として私も英語だけですが、中学生、高校生、大学受験生をサポートしています。ほとんどは、豊島区や豊島区民社会福祉協議会などからの紹介でお受けしています。場所は様々で、中高生施設のジャンプ、区民ひろば、WAKUWAKUホーム、みらい館大明のブックカフェなどの施設をお借りして、勉強を教えています。いずれにせよ、対応できるケースは限られています。
これまでは、板橋区の児童養護施設でも教えていたことがあり、そこでは不登校だった中学生が学校に通えるようになり、高校に合格できたなどの実績があります。どんなに学力が遅れていてもお引き受けしていますが、やる気のないお子さん、勉強が続かないお子さんは、お断りすることがあります。
5.障がいのあるお子さんの居場所
障がいのある子どもや発達に特性のある子どもたちのために、アフタースクールの会が放課後等デイサービスを提供しています。アフタースクールの会は豊島区内の障害児を育てるお母さん方が始めた会で、障がいのある小学生から高校生までを放課後に受け入れ、自立支援と日常生活の充実のための活動をしています。
障がいのあるお子さんに対しては、単に勉強を教える、一緒に遊ぶ以前に、障がいに対する理解が必要になります。一口に障がいと言っても、内容は様々であり、個人差も大きいので、その点について十分に配慮できることが求められます。
豊島区長崎6-35-8 ライオンズマンション東長崎第三101号
電話: 03-5926-8300
E-MAIL:a.s-2525@s2.dion.ne.jp
定員:1日 10名
サービス提供時間:学校のある日 14時~18時
学校のない日 9時~18時
6.教育資金援助
子どもの貧困を考える上で見逃せないのが、学習や進学にかかる資金負担の問題です。東京都では私立高校の授業料を無償化しました。しかし、高校進学にかかるお金は制服をはじめ、多岐にわたります。
この面ではほとんどが公的な資金となりますが、わずかながら民間による入学応援資金もあります。詳しくは区や豊島区民社会福祉協議会などのホームページを見てほしいのですが、ここでは全体像をつかむために、活用できる資金をまとめておきましょう。
受験生チャレンジ貸し付け事業
学習塾等受講料や高校大学などの受験料の貸付制度です。進学する子どもを養育している親御さんで、世帯の総収入が一定の基準以下などの条件があります。
基本は無利子の貸付ですが、対象者が受験に無事入学できれば、返済が免除になるという有利な点があります。
学習塾等受講料 貸付金 (上限) |
受験料貸付金 (上限) |
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中学3年生または これに準ずる方 |
200,000円 | 27,400円 |
高校3年生または これに準ずる方 |
200,000円 | 80,000円 |
(注)金額はいずれも上限。
担当はくらし・しごと相談支援センター(豊島区役所4階、電話:4566-2454)です。
また、豊島区民社会福祉協議会 総務貸付担当 03-6388-0055 でも受け付けています。
来年受験の相談受付の締め切りは平成31年1月25日(金)となっています。
WAKUWAKU入学応援給付金
高校などへ進学する子どもを対象に、進学に必要なお金を援助する給付金。返済の必要もなく、成績も問われません。高校入学の場合には一律4万円が支給され、入学準備、部活動の費用、学習教材の購入等に充てることができます。ただし、いわゆる経済的に余裕のない家庭に限られ、選考のためのインタビューに応じることが必要。30年4月の入学予定者の枠は50名となっていました。
平成31年度4月入学についても同じような支援をする検討していますが、さらに支援対象を小学生にまで広げる可能性もありそうです。こうした支援を必要としている方は、来年の入試時期に改めて確認をしてください。
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