目次
1.区民ひろばの活用
2.区民ひろば以外の高齢者サロン
3.男性のためのサロン
4.一人暮らしの老後問題
5.孤食を防ぐ
6.学ぶ
人間の寿命は有限です。生物学的には120歳くらいまでは生きる可能性があるようです。しかし、実際の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳となっています。問題は平均ではなく、一人一人です。そして、何歳まで自立して生活できるかという健康寿命がより重要です。自立して、楽しく、幸せに、長生きをすることがシニアにとっての理想です。
活動範囲を拡げよう
仲間と運動したり、歌を歌ったり、おしゃべりをしたり、出かけたりすることは、こうした生き方をする上では、欠くことのできない活動です。家にこもっていないで、「きょういく」(今日行くところがある)と「きょうよう」(今日、用がある)を高めることが肝心です。
自分が幸せだと感じる人には、2つの条件が当てはまるそうです。その一つは、幅広い趣味や活動をし、幅広い分野の友人を持っていること。もう一つは、人や社会のためになることをしているという充実感をもつこと、と言われています。まずは、自分の活動範囲を広げることから初めて見ましょう。
1.区民ひろばの活用
豊島区内には22の区民ひろばがあります。かつては寿の家という形で、高齢者中心の施設がありましたが、それが子育て世代の施設を併設した区民ひろばに発展しました。この西部圏域では、高松、要、千早、さくらがありますが、富士見台、長崎などの区民ひろばも比較的近いので、お元気な方は徒歩や自転車などで通うことが可能でしょう。
高齢者のためのいきいき事業
各区民ひろばでは高齢者のための「いきいき事業」を展開しています。体を動かす体操などの運動、歌を歌ったりする音楽、そして映画などの文化のプログラムがあります。ひろば自体が事業の一環でやっているものも多いほか、参加者がサークルを作って、多彩な活動をしています。自分の趣味に合うものをチェックしてみましょう。
ロビーでは囲碁や将棋が楽しめるほか、テレビを見たり、お茶を飲んだりしてリラックスできます。区民ひろばにいくことが、孤立しないための第一歩となるでしょう。各ひろばは毎月のカレンダーを出していますので、それを見て、初めての人でも参加しやすいプログラムから始めるのがよいでしょう。
本格的なジャズ演奏や映画も
区民ひろばで行われるイベントには、プロの音楽家が来て演奏や歌を披露したりしてくれるものも多いです。ジャンルもジャズ、クラシック、日本舞踊、落語、和太鼓演奏など、幅広いジャンルの演芸も楽しめます。近隣の学校から小学生が来てくれたり、中学生や高校生が合唱してくれたりするのも、楽しいイベントです。若い彼らの歌声に感動することも多いです。また、映画を無料で楽しめることも大きなメリットです。
区民ひろばの高齢者向けサロン
区民ひろばでは様々な高齢者向けのサロンが開催されています。
<区民ひろば千早>
◇出張めだかサロン
めだかサロンは特別養護老人ホーム千川の杜で毎月第1金曜日に開かれていますが、区民ひろばでも、原則第3金曜日午前10時からやっています。ただ、こちらの方は切手の切りそろえ作業のみです。その分、手先の器用さに自信のない方でも、おしゃべりしながら作業をすることができます。
切手は使用済みのものですが、豊島区民社会福祉協議会が集めているもので、綺麗に切りそろえたものは換金して、様々な事業の原資となります。認知症予防をしながら、社会貢献ができる機会です。
◇みみよりサロン
ファイナンシャル・プランナーの資格を持つボランティアが、高齢者にとっても大切なお金の問題について講義をしてくれます。税金の申告、相続の問題など役に立つ情報が得られます。毎月1回、原則として第2水曜日の午前10時半からです。(みみよりサロンは残念ながら現在休止中です)。
◇お楽しみ会
2ヶ月に1回くらいのペースで、社会福祉協議会と区民ひろばが共催し、緑川るみ先生のピアノと歌、そして漫談家そこのけの楽しい話で、大いに盛り上がる会です。開催日についてはひろばの予定表でチェックしてください。
場所:豊島区要町3-7-10
電話:03-3959-2281(いきいき=高齢者)
03-3959-5861(子育て)
ホームページ:http://hiroba-chihaya.org/
<区民ひろば要>
◇ささえ手サロン
ささえ手サロンは、高松を中心に多彩な活動しているNPO法人ささえ手が主催し、毎月第1水曜日の午後2時~3時半に開催していましたが、平成31年3月末をもって終了しました。
◇要町サロン
要町サロンは西部高齢者総合相談センター(地域包括センター)が主催しているサロンです。毎月第2金曜日、午後2時~4時に開催しています。体力の低下が見られる、外出機会の少ない高齢者を優先しており、人数を制限するために、登録制を取っています。参加希望者は西部高齢者総合相談センターに電話をしてみた方がよいでしょう。前半は体操、後半は音楽などをしています。年1回、有料の茶話会が開かれます。
問い合わせ先:西部高齢者総合相談センター 03-3974-0065
場所:豊島区要町1-5-1
電話:03-3972-6338
ホームページ:http://www.city.toshima.lg.jp/092/kurashi/hiroba/shisetsu/026487.html
2.区民ひろば以外の高齢者サロン
「区民ひろばはどうもなじみにくい」という方も実は少なくありません。最初にグループができてしまっていて、一人で行っても加わりにくい、という感じを持つ方も少なくありません。その意味では、特別養護老人ホームなどの施設で開かれるサロンやイベントを活用するのも一案です。
◇らくゆうサロン千川の杜
「としま こもこもwネットワーク」が主催する「らくゆうサロン 千川の杜」は区民ひろばに行っておられない方、ご夫婦なども参加しやすい高齢者サロンです。毎月2回、コーヒーなどを飲んでおしゃべりした後で、第2火曜日はとしまる体操や歌、第4土曜日はバンド演奏などの様々なイベント開催しています。地域の民生・児童委員などが参加してますので、相談などもできます。この種のサロンとしては男性の参加者が多く、ご夫婦での参加も見られるのが特徴です。
本格コーヒーが楽しめます
豊島区民社会福祉協議会の助成金を得て、コーヒー豆やお菓子などを買い、無料で提供しています。コーヒー豆は東ティモール産のフェアトレードコーヒーを使用し、ボランティアスタッフがドリップして淹れています。ほかには煎茶や紅茶など、夏にはアイスコーヒーの要望にもお応えしています。
らくゆうサロンについては、 こもこもネット>私たちの活動 をご覧下さい。過去のイベントの一覧表もあります。
開催日時:毎月第2火曜日、第4土曜日 原則午前10時~
(午後の場合もありますのでご注意ください)
場所:特別養護老人ホーム 千川の杜 地域交流スペース (豊島区要町3-54-9)
旧千川小学校 跡地
参加:無料
連絡先:080-3003-7072(前澤)
ホームページ:当ホームページをご覧下さい
◇アトリエ村
このほか、特別養護老人ホームなどでも、様々なイベントを開催しています。特別養護老人ホームのアトリエ村では様々な催しをして、外部の方でも参加可能にしています。
◇千早文化創造館
千早文化創造館でも多彩な催しが開かれています。有料のものが多いですが、地域の歴史などを専門家が解説したりする、高度な文化的セミナーが開かれるのが特徴です。一部、地元の方々が披露する落語会などは無料で開催されます。ポスターなどで確認してみてください。
3.男性のためのサロン
高齢男性にとって高齢者サロンは女性の参加者が圧倒的に多く、どうも気が引けてしまうという方もいます。そういう方は、男性のためのサロンを利用するのも一案です。
<男性のためのサロン>
男性のためのサロンは、残念ながら西部圏域にはありません。65歳以上で男性限定のサロンとしては、南大塚の「スマートエイジング倶楽部」、目白の「おとこのサロン」がありますが、これらは地域の高齢者総合相談センターが開催しているもので、地域限定、つまり他の圏域の住民は対象になりません。唯一、巣鴨で開かれている「中山道サロン」だけがNPOによって運営され、全区民を対象としているので、参加可能となります。ちょっと遠いですが、江戸六地蔵尊で有名な眞性寺の一角で行われているので、お参りがてら行くこともできそうです。
内容は介護予防体操やスポーツ吹き矢を交互にやっているほか、詩吟や江戸しぐさの講義など、バラエティに富んだ内容で構成されています。
日時:毎月第2・第4木曜日 午前10時15分~11時半
場所:区民ひろば清和第一 (豊島区巣鴨3-15-20)
対象:豊島区民でおおむね65歳以上の男性
連絡先:070-4396-8960
(NPO法人コミュニティランドスケープ中山道サロン事務局 桝野)
<男性ボランティア交流会>
この西部圏域では、男性のためのボランティア講座が開かれ、これに参加したメンバーが交流会(現在では「西豊島シニアネット」)を持っています。この交流会に参加すれば、男性のみの会合に参加することができます。この交流会は会合の後で、有志による飲み会に行くことが多いので、自然と打ち解け、会話も弾むことになります。
一般に、男性は長いこと会社を中心に活動してきて、地域にはなじみがない方が多いです。交流会に参加してみると、こんな近くに同趣味の人がいたのに、全く知らなかったというようなことが起こります。新しい仲間が増えることは必定です。仲間を増やすこと、それ以上に自らもボランティアとして活動することで、新しい世界、第二の人生が開かれていきます。
立ち上げて間もない会ですので、当面はメンバーが代わる代わる自分の得意分野の話しをし、ボランティアや地域の情報交換をしています。また、谷端川の源流から歩く会なども催しました。
開催日時:不定期(およそ2ヶ月に1回) 原則午後3時~
場所:特別養護老人ホーム 千川の杜 地域交流スペース (豊島区要町3-54-9)
連絡先:090-9304-7678(亀谷)
4.一人暮らしの老後問題
高齢化が進むとつれあいをなくした後、長い間一人暮らしになることが考えられます。何か困ったことがあったとき、すぐに相談できる存在が民生・児童委員です。区役所、高齢者総合相談センター、コミュニティー・ソーシャル・ワーカーなどは地域福祉を支える大事な存在ですが、夜間や日曜祝日には地域にいません。その点、民生・児童委員は各町会にほぼ3名ずつ配置されています。担当地域の民生児童委員がいなくても、他の人がカバーできるようになっています。遠慮せずに、何かあったら民生・児童委員に連絡するのが良いでしょう。
民生・児童委員による見守り
各地域にいる民生・児童委員は、3年に1度、65歳以上の一人暮らしの方で、高齢者総合相談センター(地域包括支援センター=包括と呼ばれる)につながっていない方を訪問して、健康状態を尋ねたり、知人や友人、親族との行き来があるか、買い物や病院通いに不自由はないか、などを調査します。また、ほぼ毎年6月頃には、熱中症予防の広報をかねて、ご自宅を訪問し、健康状態やご不便はないかなどをお聞きします。生活上の援助が必要な場合には、高齢者総合相談センターから連絡するように手配します。一部、娘さんなどと同居していても、世帯が別のケースには訪問の対象になっている場合があります。
緊急時の連絡先を伝えましょう
こうした際に民生・児童委員が困るのは、自分は元気、息子や娘には迷惑をかけたくない、として緊急時の連絡先を伝えてくれないようなケースです。高齢者はいつ転倒して意識不明などの状態になるかわかりません。そうした時、近所の方が民生・児童委員に連絡を取り、民生・児童委員から警察や救急に連絡を取ることが多いです。何か、重大な決定が伴う時には、いただいた緊急連絡先の方と相談することが多いのです。民生・児童委員は準公務員として守秘義務がありますので、プライバシーは守られます。
これは老夫婦だけで住んでいる方も同じです。片方がもう一方を介護している状況では、元気だった方が病気や事故で動けなくなると、お二人とも困難な状態に陥ってしまいます。行政や社会の目が届いていれば、助かるケースはあります。ご夫婦での生活の場合、民生・児童委員の訪問対象になりませんので、必ず近くの民生・児童委員と高齢者総合相談センターに連絡を取って、見守りをしてもらうことが重要です。
民生委員は災害時の支援も受け持つ
民生・児童委員には災害時の要援護者、避難行動要支援者の名簿が配布されています。担当地域における障がいや高齢により歩くのが不自由になった方などを把握しています。ただ、数も多く、大災害が起きたとき、すべての支援に駆けつけるのは大変に難しいのが実情です。町会の災害時要援護・避難行動要支援者の全体リストが各町会長に配られていますので、民生・児童委員は町会の役員さんなどと協力して、災害時に安否確認や避難の際の支援の手配などをすることになります。その意味でも、民生・児童委員にきちんとした情報を伝えておいていただくことは重要になります。
幸い、西部地区(民生委員児童委員協議会としては長崎第二地区)は一人も欠員がない状態です。皆さんを見守ってくれる民生・児童委員が必ずそばにいるはずです。あいにく、民生・児童委員と主任児童委員の名簿は現在は広く見られるようになっていません。
豊島区民社会福祉協議会の会員に配布される「豊島区民社協 ハンドブック 2018」には平成30年4月1日現在の民生・児童委員、主任児童委員のリストが掲載されています。お持ち出ない方は、豊島区の保健福祉部福祉総務課に問い合わせていただくことになっています。
電話番号は03-3981-1722です。こもこもひろばでは、インターネットでの公開の了解が取れた民生・児童委員については、名前と連絡先を掲載していく予定です。
5.孤食を防ぐ
長年連れ添ったつれあいを亡くすことはつらいことですが、それを機に孤食になりがちなことも大きな問題です。できれば、さまざまなつながりを保ち、一緒に食事をするような機会を持つことも重要で、そのために高齢者のための食堂などの増加が望まれています。
老人食を考える会
一人暮らしになると、食事の支度をすることもおっくうになることがあるでしょう。「老人食を考える会」は原則毎週第1・第3木曜日にみらい館大明で、健康に配慮された沢山のお弁当を作り、手渡しすることになりました。もう40年以上も千早地域文化創造館で続けてきたのですが、調理場の故障を機に、場所の変更を余儀なくされました。
お弁当は昔懐かしい家庭的な献立で、栄養価も高く、また彩りも美しく盛り付けされています。お弁当は400円で購入できますが、区内の65歳以上の一人暮らしの方で、ご自分で取りに行ける方が対象です。会ではお弁当を手渡しする際に、会話をして、少しでも孤立感を和らげるようにしているそうです。メンバーになるには登録が必要です。現在、約45人の登録があり、限界に来ているので、メンバーになれるかどうかは、問い合わせてみて下さい。
<ボランティア>
元気でボランティア精神があり、またお年寄りに優しく、周囲の人と溶け合っていける女性をボランティアとして募集しています。材料処理、洗い場、調理など、何らかのお手伝いができる方は是非連絡してみて下さい。
日時:毎月第1・第3木曜日 午後1時~2時
場所:みらい館大明
豊島区池袋3-30-8
対象:区内在住の65歳以上の一人暮らしの方(登録が必要)
連絡先:松本・竹内 03-3971-9911
にこにこ食堂
平成30年末から毎月第4金曜日の午前11時半~13時に、椎名町駅前の金剛院・地下蓮華堂で、主に高齢者に昼食を取っていただく「にこにこ食堂」がスタートしました。飲み物付きのランチを400円で提供しています。おいしく栄養のある料理を、楽しく仲間と一緒にとってもらうことで孤食を減らし、元気になってもらうことが目的です。
料理の内容には工夫を凝らしており、季節のものを用意しているほか、リクエストを取って、次の会に参加者の好きなメニューを加える努力をしています。テーブルにはおひつがあり、ちょっと旅館での食事といった雰囲気も楽しめます。ドライカレーなど一人では滅多に作らないようなメニューは大変に好評のようです。
<ボランティア>
現在は、NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジンが地元のボランティアと一緒に運営に当たっていますが、将来は地元だけで運営できることを目指しており、協力してくれる地元のボランティアを募集しています。
開催日時:毎月第4金曜日 午前11時半から13時
場所:金剛院 檀信徒会館 地下蓮華堂(東京都豊島区長崎 1-9-2)
連絡先:アラジン 電話:03-5368-1955
Eメール:arajin2001@arajin-care.net
区民ひろば富士見台・区民ひろば千早のコミュニティー・ソーシャル・ワーク担当でも対応可能です。
区民ひろば富士見台 CSW
電話:03-6843-2930
区民ひろば千早 CSW
電話:03-6685-9930
6.学ぶ
遙か昔に学校を卒業したが、また、新しい知識を学びたいという人もいるでしょう。学ぶことは認知症の予防には最適です。知識欲が旺盛で、考えることの好きな人は、脳が活性化され、認知症になりにくいと言われています。
としまコミュニティ大学
それでも学ぶのに、改めて大学に入ったりする必要までは感じない人がほとんどだと思います。豊島区にはコミュニティ大学という便利な制度があり、豊島区にキャンパスを持つ7つの大学の講座から厳選された講座を受講することができます。内容も変化に富んでおり、哲学的なこと、社会問題から音楽、栄養まで、必要な教養を身につけることができます。
受講料はいずれも500円~1000円と安価で手軽です。申し込みはホームページをご覧下さい。
http://www.city.toshima.lg.jp/134/bunka/shogai/kyodokoza/032684.html
マナビト
豊島区ではこうした大学の講座をどれでも自由に参加できるマナビトと呼ばれる受講生を毎年募集しています。募集定員は50人で、マナビト生は年間8000円を支払うと、どの講座も受講することができます。毎年1回春に新入生を募集しますが、最近では応募数が多くて、当選するのが難しくなっているそうです。
マナビトでは1年間のコースを終えたあと、2年目にはゼミ生となることができます。
私自身もマナビトの受講生でした。1年間で中退しましたが、東京音楽大学で開かれた音楽の講義ではオペラのやドイツリートを学んで、とても楽しかったです。さらに、それまで聴いたことのなかった尺八の演奏には、深い感動を覚えるほどで、自分の趣味の世界を拡げることができました。
マナビトの募集要項(平成30年度版の古いものです)